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ひっちぎり(豊島屋)

「引千切 (ひっちぎり)・女雛(めびな)」きんとん・こなし製:豊島屋 

 

 

「引千切 (ひっちぎり)・男雛(おびな)」きんとん・こなし製:豊島屋 

 

 

「ひっちぎり」というおもしろい名前のお菓子ですが、「ひちぎり」ともいわれます。 

 

京都の雛祭りには欠かせないお菓子で、京都の各和菓子店では、雛祭りが近づくと、競い合って華やかなひっちぎりが店頭に並びます。 

 

本来のひっちぎりは、引きちぎったよもぎ餅の中央部をくぼませて、その部分に餡をのせたものです。ちぎった時にできる、角(つの)のようなでっぱりが特徴です。

 

「ひちぎり」:塩芳軒 

(出典:http://www.kyoto-saryo.jp/staff/kyogashi/-2.html) 

 

ひっちぎりは平安時代の宮中の行事に由来したお菓子です。扁平な白餅で、真ん中をくぼませた上に餡をのせた「戴餅(いただきもち)」と呼ばれる餅があって、子供の成長を祝う公家のお餅でした。 

 

このお餅を作るのにてんてこまいで、餅を丸める手間を惜しみ、引きちぎって作ったことにちなんでいます。 

 

台の餅やのせる餡の素材や色合いは和菓子職人さんの創意工夫で、いろいろなバリエーションのものが生み出されています。 

 

豊島屋さんのは、よもぎ餅の部分をこなしで作り、その上にのせる餡はそぼろにし、それぞれ二色ずつの組み合わせで女雛と男雛に見立てているのが独創的ですね。