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梅にメジロ

「春告鳥(はるつげどり)」煉切製:梅花亭 

挽き茶色と白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、茶巾絞りにて鳥の形をかたどり、梅の花を添えたお菓子です。

 

「梅にうぐいす」は慣用句としてよく耳にする言葉ですが、取り合わせが良い二つのものの例えとして使われます。 

 

実際には梅の枝にうぐいすがとまっているのを見かけることは非常に少なく、梅の木によくやって来る緑色をした小鳥は、ほとんどの場合メジロです。

 

メジロは、梅の花の蜜が大好物で、蜜を吸いによくやってきて、警戒心も弱いため、人間に目撃されやすいのです。うぐいすの方は虫を食べる鳥なので、梅の木には用はなく、また、警戒心も強いので、めったにその姿を見る機会はありません。 

 

ただ、その鳴き声が特徴的なので、「ホーホケキョ」という声をきいて、外を見たら、たまたまメジロが梅の枝に止まっていて、メジロをうぐいすと見間違えたということなのでしょう。 

 

でも、メジロ(目白)は、その名前の通り、目の周りの羽毛が白くなっているので、簡単に見分けがつきます。 

羽の色も、普通ウグイス色といわれている色はメジロの色で、うぐいすは灰色がかった緑褐色で、もっと地味で目立たない色です。 

 

このお菓子も、銘は「春告鳥」つまり「うぐいす」ということになっていますが、姿形はまさにメジロそのものですね。 

 

梅にメジロ