「梅の里(うめのさと)」こなし製:両口屋是清
小豆つぶ餡を萌黄色と紅色の二枚重ねの衣でくるんだお菓子です。梅の花をかたどった木型を押し当てた衣は反物のように気品がありますね。
肌を刺すような寒気の中で、気高い花を咲かせる梅。
けなげに咲くその姿から感じるほのかなあたたかみを、鮮やかな紅色に託しています。
二色のはりあわせの裏地になり、控えめに顔をのぞかせる若草色は、春近きさまを表しているようですね。
また、断端が描く優雅なS字曲線が、しとやかな美しさをより強調しているように見えます。