「若緑(わかみどり)」薯蕷製:とらや
紅色と緑色に染め分けた二色の薯蕷生地で、白小豆餡で作った羊羹をはさんだお菓子です。
干菓子として元禄7年(1694)に初めて創作された、歴史ある逸品です。
若緑とは、「新鮮な緑色・新緑」の意味ですが、俳句の世界では、特に「松の枝から伸び出した新芽」のことをいい、春の季語になっています。
寒さ厳しく彩りの少ない冬を白羊羹で表し、来たるべき春を紅色で暗示しているように見えますね。
そんな冬から春への移り変わりを、若々しい松の緑がやさしく見守っているようです。