いよいよ節分が近づいてきましたね。
今日は大阪の老舗和菓子店「福壽堂秀信 (ふくじゅどうひでのぶ)」さんの節分用の和菓子五趣を紹介します。
「吉祥来福(きっしょうらいふく)」桃山製:福壽堂秀信
白餡に卵黄や寒梅粉、水飴を練り混ぜて生地を炊き、その生地で小豆こし餡を包み、いろいろな形に型打ちをして、焼き上げたお菓子です。
福を呼ぶ「お福」、食べて厄を払う「鬼」、願いを叶えてくれる「打ち出の小槌」、健康を託す「福豆」、大願成就の「梅の花」の五種類です。
「お福」
「鬼」
「打ち出の小槌」
「福豆」
「梅の花」
桃山の場合、中は白餡を用いるのが一般的ですが、今回は黒餡を使うことにより切れ込みの深い所に黒色が透けて見え、絵柄の陰影がより濃厚に表現されています。
多くの和菓子店の桃山は、黄色く着色してることが多いのですが、福壽堂秀信では着色は一切しないそうです。 見栄えはやや地味な色目になりますが、着色料に頼らず、自然な焼き色を過不足なくつけることが、職人の腕の見せ所となっています。
福壽堂秀信さんが桃山を焼くのは、年に数回の紋日にちなむときのみだといいますから、貴重な限定菓子ですね。