山種美術館に併設された「Cafe 椿」のオリジナル上生菓子シリーズの第4弾です。
「ことほぎ」煉切製:菊家
亀甲型の餡台に旭日と瓢箪(ひょうたん)をあしらったお菓子で、中は美しい若草色に染められた柚子餡です。
「ことほぎ」とは、「寿ぎ」または「言祝ぎ」と書き、 めでたいことや、めでたいことを祝うこと。また、祝いの 言葉や儀式をも意味します。
今回モティーフとなったのは、河鍋暁斎の描いた《浦島太郎に鶴と亀》です。 (出典:http://tweez.net/hokusetsusousho/ )
三幅対になった作品で、左の絵には松竹梅と亀、中央は鶴と旭日、右はおとぎ話でよく知られる浦島太郎が描かれています。
浦島太郎は長寿を意味し、さらに鶴亀に松竹梅まで付いて、吉祥尽くしの誠におめでたい絵ですね。
この絵の中から、それぞれ亀、旭日、瓢箪(浦島太郎の足元にある)を選びだし、ひとつのお菓子にまとめ上げています。
亀は亀甲模様が彫り込まれた六角形の木型で表現し、さらに半円状の羊羹を立てるように配した旭日は銀箔によって美しく輝いています。淡雪羹製の瓢箪が程よいアクセントになって、作品を引き立てていますね。