「雲海(うんかい)」きんとん製:菊家
白と水色にぼかし染めたそぼろを大島餡のまわりに植え付け、羊羹製の富士の山を立て、銀箔を散らしたお菓子です。
大島餡とは、黒糖を使った餡のことで、黒糖の産地として有名な奄美大島にちなみこう呼ばれています。
現在、山種美術館で開催されている「伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―」展にちなんだオリジナル和菓子の第三弾です。
では、さっそくこのお菓子のモチーフになった横山大観作《心神》と比べてみましょう。
(出典:http://www.yamatane-shop.com/product/260)
すそ野にたなびく雲海を、流れるように植え付けたそぼろで見事に表現していますね。また、羊羹製の富士山を垂直に立てることで気高く屹立する姿をリアルに写しています。銀箔を散らして表現した冠雪も美しいですね。
姿かたちだけでなく、中の餡にもひと工夫ある贅沢な逸品を堪能できました。