「雪中の梅(せっちゅうのうめ)」淡雪羹製:美鈴
枝に見立てた短冊状の羊羹と、紅白に染め分けた煉切製の梅の花を淡雪羹の中に散らしたお菓子です。
美鈴さんは、知る人ぞ知る鎌倉の名店ですが、ご主人直筆の菓銘も付いています。
雪の中で香り高く清浄に咲く梅の姿を鮮やかに描いた逸品ですね。
色の対比がきりっとして、いかにも古都鎌倉らしい品の良さを醸し出しています。
枝ぶりからすると、縦にして見ると安定感があります。
卵白の泡立てもすべて手でおこなわれるそうですが、真心がこもっているだけでなく、機械では出せない独特の食感とうまみが出るそうです。
せっかくの名品なので、もう少しじっくり眺めてからいただきたかったのですが、おなかが待ってくれなくて、早々に切り分けていただきました。
春の淡雪のように、口の中でふわりと溶け、漂う梅の香のようにそこはかとない甘さの余韻に酔いしれました。