「花びら餅(はなびらもち)」外郎製:長嶋屋
白味噌餡と蜜漬けしたごぼうを紅色に染めた菱形の餅でつつみ、さらに平たく伸ばした外郎餅で折りたたんだお菓子です。
ほんのりと透けて見える薄紅色のぼかしは、春のあけぼのをも思わせ、いかにも初春のお菓子にふさわしいですね。
中はこんな感じです。
ごぼうは地元の鎌倉野菜の厳選されたごぼうを使っていて、一本一本丁寧に下ごしらえをし、煮て蜜に漬け、一週間もかけて造られた最高級品です。京味噌を使った、自家製の味噌餡は素朴な中にも上品な甘さがくせになる味です。
正月にいただく伝統の和菓子といえば、花びら餅ですね。菱葩餅(ひしはなびらもち)、葩餅、お葩とも呼ばれます。
この餅は、平安時代の新年行事で食べられていた食品が、菓子化されたもので、縁起の良い押鮎(おしあゆ)に見立てたふくさごぼうと、お雑煮を意味した白味噌を餅生地で包み込んだものです。その姿が、花びらを想わせるところから花びら餅と名付けられました。
神秘的ないわれを秘めたお菓子を食べながら、遠い昔の時代に思いを馳せることができるのも和菓子の醍醐味ですね。