鎌倉から北鎌倉にかけては歴史ある和菓子屋さんが集中していて、どのお店も丁寧に上生菓子を作っています。私は勝手に上生黄金地帯と名付け、毎月最低でも2回は訪れています。
そんなもう十分知り尽くしたはずのエリアでしたが、先日当図鑑の熱心なフォロワーの方から貴重な情報をいただき、まだ行ったことのない和菓子屋さんがあることに気づきました。
それが昭和11年創業の「大くに」さんです。
今の季節はどんなお菓子があるのだろうか?
看板商品は何だろう?
餡は自家製?
お店の雰囲気は?
ご主人はどんな人だろうか?
などと
はじめて訪れる和菓子屋さんほどワクワクするものはないですね。
上生菓子は6種類ありました。
「椿(つばき)」外郎製
瑞々しい外郎生地が冬の空気感をリアルに感じさせてくれます。
「雪遊び(ゆきあそび)」煉切製
珍しいチーズ煉切に柚子餡の組み合わせが印象的でした。
「水仙(すいせん)」黄身しぐれ製
彩り鮮やかな黄味餡で自家製の小豆こし餡を包んでいます。
「ひいらぎ」羊羹・村雨製
雪輪文様とひいらぎのギザギザした葉の取り合わせが絶妙です。
「薮柑子(やぶこうじ)」きんとん製
遠近感あふれる大きさの異なる赤い実と淡い葉の色が斬新です。
「田舎家(いなかや)」煉切製
屋根に添えられた赤い花は何だろうかと想像を膨らませる楽しみもあります。
ここのお菓子は、光明寺の茶席や精進料理などでも使用されているそうで、とても優しい色合いに上品な甘さが特徴です。
意外にもサーフィンが趣味の店主が考案したという、個性的なデザインが目を引く「波乗りまんじゅう」が看板商品だそうです。