「香ばら(においばら)」こなし製:とらや
紅色に染めたこなし生地で白小豆こし餡を包み、薔薇の図柄を彫り込んだ木型で押し抜いたお菓子です。
明治45年(1912)に初めて創作されたという、100年以上前のレトロモダンな意匠が心惹かれますね。5月1日〜6日までの6日間限定販売のお菓子でした。
薔薇は四季咲きの品種が大部分を占めていて、ほぼ年中見られるため、あまり季節感が感じられませんが、初夏が最盛期なので俳句の世界では「夏」の季語に分類されています。
どちらかというと洋風の素材ですが、上生菓子のテーマとしても最近よく見かけますね。
薔薇には棘(とげ)が付き物で、美しいものや素晴しいものには棘(危険、瑕)があることのたとえにされてきました。
優美で華麗な姿、甘美な香りの裏返しに、怖い棘があるという、危険な魅力に、人はなぜか惹かれますよね(笑)