「青竹(あおだけ)」煉切製:立田野
緑色と黄緑色に染め分けた煉切で餡を包み丸く平らに形成し、表面に千筋を付けます。さらに、青緑色の煉切で三枚の竹の葉を描いています。
青竹は、切ったばかりの青いままの竹を加工して、茶筅や花器、お箸、灰吹などを作りお正月や初釜、お茶事で使います。
ほのかに香りがあり、すがすがしい青竹は、新たな気持ちで新年や初釜を迎えるのにぴったりですね。
また、爽やかな涼感を与えてくれる青竹の器は、夏の宴席にも欠かせないものです。
昔は「青竹の器を使ったら料理が一品ふえる」なんて言われたこともあるように、青竹は一品の料理に値するほどの演出効果がありますよね。
さらに、和菓子店においても、青竹は水羊羹をはじめ、ところてんや寒天、ゼリーなど、夏の水菓子の容器としても重宝されています。
このように、青竹をはじめ、桜葉や柏葉、椿葉、柿の葉、楓、笹の葉など、季節感あふれる自然の素材と食品をうまく組み合わせるのも日本独特の食文化ですね。