「初桜(はつざくら)」煉切製:一炉庵
本紅(ほんべに)で染めた煉切で小豆こし餡を包みまるめ、桜花の形を木型で押し抜き、中央に白胡麻を散らしたお菓子です。
本紅とは、紅花の色素を梅酢で分離した色素のことで、生産に手間と時間がかかるため非常に高価で、『金一匁(もんめ)紅一匁』という言葉通り、同じ重量の金に匹敵する価値があるとも言われました。
さすが最高級の天然色素を使っているだけあって、発色がとてもきれいですね。
桜もいろいろな種類がありますが、それにしても、ここまで濃い紅色は、紅梅ならまだしも、桜となると、寒緋桜くらいしか思いつきません。
さて、「初桜」を、その年に咲いた初めての桜と解釈するならば、沖縄や九州のような南方でないと見られないことになってしまいますが、「初桜」は場所に限らず、最初に目にとまった桜花のことをいいます。
つまり、ある人が、ある場所で見た桜が、どの種類の桜であれ、その人がその年に一番最初に見た桜であれば、植物学的な開花順序も関係なく、その桜を 「初桜」といいます。
私の今年の「初桜」は、3月12日に横浜山手の洋館通りを散歩していた時に見かけた桜です。
私の初桜