「沈丁花(じんちょうげ)」きんとん製:福壽堂秀信
所々紫色に染めた白いそぼろを餡の周りに植え付け、匂い立つように咲く沈丁花の花を写したお菓子です。
沈丁花という名前は、香木の沈香(じんこう)のような良い匂いがあり、丁子(ちょうじ、クローブ)のような花をつける木、という意味でつけられたそうです。
2月末〜3月に花を咲かせ、その鮮やかな匂いで春の到来を告げてくれます。
花は淡紅色〜白色でおしべは黄色、強い芳香を放ち、枝の先に20ほどの小さな花がくす玉状に固まってつきます。この花姿を和菓子で表現するとしたら、まさにきんとんがぴったりですよね!
春の夕暮れ、街を歩いていると、どこからともなく漂ってくる沈丁花の香りに誘われ、思わずその場所を突き止めてみたくなることがあります。