「花衣(はなごろも)」こなし製:両口屋是清
薄紅色に染めたこなし生地に千筋をつけ、桜の花びらの型を押し、白のこなし生地と重ね合わせ、二つ折りにして小豆こし餡を包んでいます。
お花見に行く時に女性が着る晴れ着のことを花衣といいます。古くは桜襲(さくらがさね)の色目のことを指していました。
「表は白、裏は紅色」という桜襲の色目を参考に、表裏は逆にはなっていますが、紅白のやさしい色が用いられています。
華やかな衣装を身にまとい、桜の下で宴をはり舞う風情をさりげない意匠で写したお菓子です。
二つ折りのこなしは色や図柄によってさまざまな表情に変わるのがおもしろいですね。