「れんげ野(れんげの)」雪平製:栗山
雪平生地で白こし餡を包みまるめ焼き目をつけます。さらに、緑色と薄紫色に染め分けた太細二種類のそぼろをのせ、一面に広がるれんげ野を写したお菓子です。
紅紫色のれんげ草が田んぼ一面に咲き満ちた様子は、日本の農村の春の原風景ですね。
れんげ草は江戸時代に中国から渡来したマメ科の植物で、3〜4月に小花を咲かせます。
花の形が蓮の花に似ていることから「蓮華草(れんげそう)」と名付けられました。
また、一面に咲いた様子が紫雲がたなびくように見えることから「紫雲英(げんげ)」とも呼ばれます。
昔は刈り取りの終わった稲田でれんげ草を栽培し、 牧草にしたり、地中に鋤き込んで緑肥にしたりしていました。
その後、化学肥料の普及とともにだんだん見られなくなってしまったのはほんとうに残念です。
子供のころ、よくれんげ草を摘んで遊んだ光景がこの時期になると時折思い出されます。