「春風(はるかぜ)」淡雪羹製:菊家
白とピンク色にぼかし染めた淡雪羹を三角柱状に固めています。その各平面には、黄色や緑色の寒天で作られた蝶形や四角い模様が象嵌細工のように埋め込まれていて、春風に乗って舞い踊る蝶の姿を写しています。
「気候」という言葉は、二十四節気の「気」と、七十二候の「候」から生まれたものです。
今の時期は三節気「啓蟄(けいちつ)」に当たり、新暦の3月15日〜3月19日頃を「菜虫化蝶(なむしちょうとかす)」の候といいます。
厳しい冬を耐えてじっと過ごした蛹(さなぎ)が羽化し、蝶に生まれ変わる時季です。
あたたかい日差しの中、春風に乗って飛び交う蝶の姿は、足早に来る春のリズムにあわせて楽しげに踊っているようですね。