「すみれ」求肥製:五十鈴
求肥生地で白こし餡を包み台にして、その上に羊羹ですみれの花を描き、緑色に染めた羊羹製の葉っぱを添えたお菓子です。
すみれは園芸用として庭に植えられることもありますが、基本的には素朴な雑草のひとつです。
か弱そうなイメージですが、アスファルトの割れ目や歩道縁石の間など、ちょとした隙間があればどこにでも生えてくる生命力の強い花なのです。
すみれは、昔から詩や文学などにも数限りなく登場し、歌に歌われ、また、女性の名前として用いられたりと、これほどみんなに愛されている雑草は、ほかに無いかもしれませんね。
うつむき加減に花をつけるすみれの可憐な様子が、羊羹で見事に写されています。ひとつひとつ職人さんが手で描くため、それぞれ表情の違ったすみれが店頭に並んでいるのが楽しいですね。