「残る雪(のこるゆき)」蕨粉製:両口屋是清
緑色に染めた白小豆こし餡を蕨粉の生地で包みまるめ、白いかるかんの帽子をのせ、全体に氷餅をまぶしたお菓子です。
遠くに連なる峰の山々。眩しいばかりに輝いている美しい残雪をかるかんと氷餅で写しています。
春になっても残っている雪を残雪といいます。
日陰にうずくまるように残って堅くなった雪。
誰にも踏まれず、田畑に溜まるように残った清らかな雪。
山の厳しい姿を保ったまま、いつまでも消えない高山の雪。
など、いろいろな残雪がありますが、いずれの雪も春の日射しを浴びて美しく輝いています。
また、高い峰々の雪が解けて残雪と岩肌が描き出す模様のことを「雪形」といいます。
かつては山の雪の解け具合を表すこの雪形が、田植えや種蒔きの時期を知る目安になったり、豊凶を占う手段にもなっていたそうです。