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椿餅いろいろ

「椿もち(つばきもち)」道明寺製:大倉山青柳 
道明寺粉を蒸し上げて、小豆こし餡を包み、それを上下から艶やかな椿の葉ではさんでいます。

 

「椿餅(つばきもち)」道明寺製:とらや 
煎った道明寺粉と肉桂を混ぜて蒸した生地で御膳餡(小豆こし餡)を包み、椿の葉ではさんでいます。

 

「椿餅(つばきもち)」道明寺製:三鈴 
素朴な口当たりにするために、餡を道明寺でくるんだ伝統的なお菓子です。美しい椿の葉二枚ではさんでいますが、特に光沢のあるものを選んでいます。 

 

「椿餅(つばきもち)」餅皮製:両口屋是清 
とろけるようなやわらかい餅皮で小豆こし餡を包み、若々しい椿の葉っぱではさんでいます。 

 

「椿餅(つばきもち)」餅皮製:柏屋 
つきたての柔らかいお餅で小豆つぶ餡を包み、瑞々しい椿の葉ではさんだお菓子です。1月中旬から3月末までの限定販売です。 


椿餅は、日本最古の餅菓子のひとつで、和菓子の始まりともいわれているお菓子です。奈良・平安時代に、シルクロードを経てもたらされた文物とともに輸入された唐菓子の中に、その名が見られるそうです。 

また、『源氏物語』や『宇津保物語』『藻塩草』『空穂物語』などの古典文学の中にも椿餅が登場します。 


現在、椿餅には餅製と道明寺製のものとがあり、ともに上下に椿の葉を当てていますが、唐菓子として日本に伝えられた当時のものとはかなり違っているようです。 


こうやって比べてみると、椿の葉の当て方がお店によって異なっているのが興味深いですね。 

とらやさんは、上下とも葉の裏が外側になっていて、大倉山青柳さん、柏屋さんは逆に、上下とも葉の表が外側になっています。また、三鈴さん、両口屋是清さんは上は表が外側、下は裏が外側になっています。 


それにしても、平安貴族たちが食べていたお菓子を、現代の我々も賞味できるというのは本当に素晴らしいことですね。代々守り継がれてきたこの和菓子の伝統を、今後も大切に受け継いでいかなければならないと、あらためて強く感じました。