「卯の花(うのはな)」淡雪製:菊家
真っ白な淡雪で餡を包み茶巾絞り仕立てにしたお菓子です。
平安時代の貴族も一目置いたという、卯の花の品の良さをシンプルですが見事に表現した作品です。絞りの襞(ひだ)が織りなす不規則な模様が芸術的ですね。
卯の花を上生菓子で表現する場合、一輪の花のみを写すより、白い小花がたくさん集まった集合体として、真っ白いきんとんや氷餅を散らしたりして表現する場合が多いですね。
そんな中、淡雪を使ったこのようなお菓子は姿も味もとても斬新です。
平安貴族の衣装で、重ね着の袖、襟、裾口などに見える配色を季節ごとに考慮し、植物の名前をつけたものを「かさねの色目」といいますが、卯の花の配色もあります。
表白・裏青という配色ですが、このお菓子は卯の花のかさね衣装の襞にも見えます。