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薔薇(菊家)

「薔薇(ばら)」煉切製:菊家 

黄色く染めた煉切で餡を包み込み、さじを使って花弁を刻みこむ、さじ切りという手法で八重咲きの薔薇を表現しています。緑色に染めた羊羹製の葉を添えています。 

 

薔薇は西洋の花というイメージがありますが、日本にも古来より、「野茨(のいばら)」や「浜梨(はまなす)」など野生種が多く自生し、万葉集にも「荊(うまら)」という名で詠まれています。 

 

現在世界中にある約3000種類もの薔薇も、もとをたどればたった8種類の原種に集約されるそうで、日本原産の野茨などもその貴重な8種の中の1種なのです。 

 

現在ある全てのバラの基本種であり、複雑な交配が重ねられて、膨大な数の華やかな園芸品種が誕生したわけです。

 

世界中で愛されている薔薇の元祖が日本原産だと知って、少し誇らしい気持ちになりますね。 

 

「見て美しいだけでなく、食べて美味しい」がモットーの菊家さんですが、ここの煉切は牛乳が入っているわけではないのでしょうが、なぜか乳製品のもつあの独特のコクがあって、抹茶ばかりでなく、コーヒーや紅茶にも合いそうな、そんな特徴あるお菓子で、とても好みの味です。