今日は東急東横線の大倉山駅近くにある御菓子司「大倉山青柳」に行ってきました。
この店は上生菓子作りに、並々ならぬ情熱を注いでいて、とにかく種類が多いのと、デザインも創意に富んでいて、毎月必ず立ち寄るお気に入りの店です。
菓銘も意匠も難解なものはなく、何を表現しているのかひと目でわかり、親しみやすいものが多いのが特徴。
今ではすっかり顔なじみになり、こちらが頼まなくても、菓子箱に詰めた順に菓銘を書いて渡してくれます。
迎春の上生は10種類以上もあって、さんざん迷いましたが、結局7種類を購入しました。
「鶴(つる)」雪平製:大倉山青柳
これは極めてオーソドックスな定番のデザインですが、赤い頭部、黒胡麻の目、焼印のくちばしの配置が絶妙です。
「亀(かめ)」煉切製:大倉山青柳
亀の意匠は圧倒的に亀甲形のものが多いですが、ここの水墨画で描いたような二匹の亀の絵柄は独特ですね。焼印のようにも見えますが、刷り込み技法で描かれたものです。
「静(しずか)」浮島製:大倉山青柳
2014年の歌会始の御題菓子です。浮島の外側に煉切生地でコーティングし、さらに煉切製の梅の花や氷餅を添えた手の込んだ作品。
「竹笹(たけささ)」煉切製:大倉山青柳
竹と笹、似ていて混同してしまっていますが、タケノコが成長するに連れて皮が次々に落ちていくのが竹、皮がいつまでも残っているのが笹だそうです。淡い緑色に染めた煉切生地に千筋をつけて、まっすぐ天に向かって伸びる竹林または、笹の葉の縦筋を表しているようです。
「竹(たけ)」羊羹製:大倉山青柳
竹は、成長がとても早く、孟宗竹(もうそうちく)は1日で1メートルも伸びることがあるといいいます。節からさらに伸びた意匠がこの旺盛な成長力を感じさせます。薄めの羊羹生地が透けて中の餡の色が見え、複雑な発色になっているのが見事です。
「目出鯛(めでたい)」煉切製:大倉山青柳
この鯛の木型はよくみかける意匠ですね。紅白に染め、金箔を散らし、晴れやかな迎春の雰囲気を出しています。
「富士山(ふじさん)」羊羹製:大倉山青柳
この富士の山は見事!まるで横山大観の描いた豪華な日本画のようですね。