大阪の老舗和菓子店「福壽堂秀信 (ふくじゅどうひでのぶ)」の迎春用和菓子「五福あわせ」を紹介します。すべて桃山製です。
「干支(えと)」
2014年の干支「午(うま)」を表現。新年の守護。
「福俵(ふくだわら)」
米俵は富の象徴とされ、正月には米俵を模した飾物が作られます。家運の繁栄。
「打出の小槌(うちでのこづち)」
打出の小槌は、振ることにより様々なものが出てくるとされる伝説上 の槌。多くのおとぎ話に登場し、古来、隠れ蓑、隠れ笠と並び称せられた宝物のひとつです。無量の福禄。
「招福鈴(しょうふくすず)」
清らかな鈴の音 を通して、神々の恵みを受けます。吉よぶ祥音。
「松果(しょうか)」
松は常緑樹として、冬も緑の葉を茂らせることから、若さ・不老長寿の象徴とされています。千年の長寿。
白餡に卵黄や寒梅粉、水飴を練り混ぜて生地を炊き、その生地で餡を包みます。その後、いろいろな形に型打ちをして、焼き上げたお菓子です。
ベースの白餡は、厳選した大手亡豆から一貫して自社工場で専属職人が毎日炊き上げる、自慢の白餡だけあって、豆の香りがとても豊かで、濃厚な味。
桃山の場合、中に包む餡は、白餡を用いるのが一般的です。黒餡を使った場合、型打ちをした際に、切れ込みの深い所に黒色が透けて見えることがあり、美観を損ねるのが理由だそうです。
多くの和菓子店の桃山は、黄色く着色してることが多いですが、福壽堂秀信では着色は一切していません。
見栄えはやや地味な色目になりますが、着色料に頼らず、自然な焼き色を過不足なくつけることが、職人の腕の見せ所となっています。
福壽堂秀信が桃山を焼くのは、年に数回の紋日にちなむときのみだといいますから、貴重な限定菓子ですね。