「初夏の月(しょかのつき)」薯蕷製:とらや
月を見立てた丸い薯蕷饅頭に、ほのかな緑のにおい(色差し)と、夏の訪れを告げるほととぎすの焼印を配しています。初夏の趣を感じさせるお菓子で、昭和54年(1979)に初めて創作された比較的新しいお菓子です。
ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば
ただ有明(ありあけ)の 月ぞ残れる (後徳大寺左大臣)
(ホトトギスが鳴いた方を眺めやれば、ホトトギスの姿は見えず、ただ明け方の月が淡く空に残っているばかりだった。)
百人一首の中の、この歌のイメージに合うお菓子ですね。
夏の到来を告げるホトトギスは、春のウグイスと並んで 季節の初音としてその鳴き声を心待ちにされています。
その鳴き方は、「特許許可局(とっきょきょかきょく)」や「テッペンカケタカ」が知られていますが、「ホ・ト・…・ト・ギ・ス」とも聞こえることから、「ほととぎす」の名がついたとも言われます。