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独楽(こま)の上生菓子

「お年玉(おとしだま)」煉切製:菊家

水色に染めた煉切で餡を包み、木型で扇形をかたどり、羊羹製のカラフルな独楽を添え、雪に見立てた粉砂糖を散らしています。 

 

「こま遊び(こまあそび)」淡雪羹製:菊家

雪をイメージした淡雪羹に、色彩豊かな羊羹製の独楽を二個配置し、独楽遊びの風景を表現。喧嘩独楽といって、回っている相手の独楽に打ちつけて、跳ねとばして倒せば勝ちという独楽遊びの一場面を見事に表しています。

このような淡雪羹を使った上生菓子は、菊家さんが特に得意とする独特の世界です。 

 


独楽(こま)は、正月の男の子の玩具の一つで、円錐状に削られた木製の胴に、先のとがった軸を通し、その軸に紐を絡め回転させて遊ぶもの。 

屋内遊びの歌留多(かるた)や屋外の凧揚げ、羽根つきなどと並んで正月遊びの代表的なものの一つです。 

 


独楽はその回る姿から「お金が回る」、「頭が回る」、「仕事がうまく回る」、「人生が円満に回る」 などの意味が込められ、縁起の良いものとして珍重されてきました。 

独楽には、形の美しさ、色の美しさ、回した時の色彩の美しさに加え、一本足で、微動だにしないで、まっすぐに立ち、眠っているように静かに回る姿も愛でられています。 


南青山にある菓匠「菊家」さんの創る上生菓子は、まるで童話や絵本の挿絵のような、ファンタジーあふれる、微笑ましい作品が特徴で、個人的にとても気に入っています。 


菊家さんの上生菓子は、南青山の店舗以外に、日本橋高島屋および新宿高島屋の銘菓百選のコーナーで毎週金曜日のみ限定販売されています。