「若むらさき(わかむらさき)」きんとん製:いいだばし萬年堂
紫と白の二色のそぼろを小豆つぶ餡のまわりに植え付け、初夏の頃、紫色に咲く花を写したお菓子です。
写真で撮ると、少し青みがかって再現されてしまいますが、実際の色はもう少し紫寄りの色です。
若紫とは、やや薄く明るい紫色の美称として用いられた伝統色名です。『伊勢物語』や『源氏物語』の中で言葉として用いられ、江戸時代に色名として登場しました。
今の時季、紫色の花と言えば、真っ先に思い浮かぶのは、やはり「紫陽花」ではないでしょうか?また、「花菖蒲」も雨が似合う花で、今まさに見頃ですね。
「鉄線花」もまだ楽しめますし、悲しい逸話を秘めた「都忘れ」もまだ咲いていることでしょう。
食いしん坊の私は、「茄子の花」なんかも想像しちゃいました。
もうそろそろ見納めですが札幌市の市の花である「ライラック」も紫色が印象的な花です。また、早咲きの「ラベンダー」は6月下旬には咲き始めるようですね。
このように、いろいろ空想する楽しみが味わえる逸品です。
無粋にもお店の人に正解を尋ねてみましたが、あえて特定の花はイメージしていないとのことで、食べる方のご想像におまかせしますと、笑いながらおっしゃっていました。