「すずらん」煉切製:菊家
水色に染めた煉切で折りたたむように餡を包み込み、緑の煉切製の葉、緑の羊羹製の茎を添えます。さらに白の煉切で作った釣鐘形の花を数輪配し、銀箔を散らして、朝露に濡れてキラキラ輝くすずらんを写しています。
すずらんは、「鈴蘭」と書き、花が「鈴」、葉が「蘭の葉」に似ていることからこの名が付いたといわれています。
葉の下に控えめに花をつけ、頭を下げて、ただひたすら愛する人を待ち続けているようなその姿から「君影草(きみかげそう)」という素敵な別名があります。
他にも「谷間の姫百合(たにまのひめゆり)」と呼ばれたり、フランスでは「聖母の涙」に例えられたりしています。
可憐な印象とは裏腹に、有毒成分を含む植物で、根だけでなく、茎や花、花粉にまで毒があるので注意が必要です。