「山笑ふ(やまわらう)」煉切製:村上
薄紅色と萌黄(もえぎ)色にぼかし染めた煉切で餡を包み、巾着絞り仕立てにします。さらに、黄色いそぼろを花芯に見立て、淡い紅色の煉切でかたどった桜花を添えています。
枯れてひっそりと落ち着いた冬の山にも、やがて春が訪れます。
草は萌え出し、木々は芽吹き、花がほころび始め、山は若々しい命で満たされるようになります。
そんな春の山を遠くから眺めた時の、瑞々しく、麗しい様子を「山笑ふ」と表します。
春の「山笑ふ」に対し、夏は「山滴る(やましたたる)」、秋は「山装ふ(やまよそおう)」、冬は「山眠る」と表現され、それぞれ俳句の季語になっています。