「遠山(とおやま)」煉切製:森八
「早春(そうしゅん)」煉切製:森八
いずれも、餡を包んだ煉切を茶巾絞りにしたもので、形はほとんど同じですが、春先の遠近の風景を、色彩の違いのみによって見事に描き分けています。
「遠山」では、遠くの山にまだ残雪が白く輝き、いまだに枯れ色のようすをあらわしています。山の残雪は、やがてゆっくりと解けて田畑を潤す貴重な水になります。雪山は天然のダムですね。
「早春」はいかにも春らしい薄紅色と淡い緑色で、うららかな日差しの中に咲き乱れる里の花々や若草をあらわしています。
森八は江戸時代の寛永2年(1625年)に創業し、現社長で18代目という、金沢でも最古の歴史を誇る老舗です。