「桃李(とうり)」きんとん製:鶴屋吉信
山を埋める満開の桃の花を紅色のきんとんで表し、やわらかな緑の葉を散らしています。
のびやかな春の気分を写すように、こんもりと丸く形作っています。
桃李といえば思い出すのが、松尾芭蕉が「奥の細道」の冒頭部分で引用したという李白の詩「春夜宴桃李園序」。
ある春の夜に李白が、兄弟や親族と共に桃や李(すもも)が花盛りの園で宴会をして、各自が詩を詠んで遊んでいる様子を描いている詩です。
清 冷枚 春夜宴桃李園図
(国立故宮博物院よりお借りしました)