「菜の花(なのはな)」きんとん製:みのや本店
餡の周りに緑色と黄色のそぼろを半分ずつ植えわけて付け、菜の花が一面に咲き誇った野辺の様子を表しています。さらに、煉切製の真っ白い蝶を二頭添えています。
(余談ですが、蝶を数えるのに、普段は「匹」とか「羽」というほうが感覚的には合いますが、実は一頭、二頭と数えるのが正式だそうです。なんだか大型動物のようで違和感がありますが。。。笑)
この白い蝶はモンシロチョウでしょうか?鮮やかな黄色の中でひときわ浮き立ち、生き生きと飛んでいますね。
菜の花は、黄色い花びらが4枚十字形に並んだ形をしていますが、上生菓子で表現する場合には、ひとつひとつの花を細かく写すよりも、黄色と緑の色だけでシンプルに表す意匠が多いです。
このように、色彩のみのイメージで特定のものを思い浮かべるというのも茶菓子の特徴ですね。
菜の花の開花時期は2月〜5月が一般的ですが、最近は1月頃から早めに出回ることも多いです。でも、茶方では千利休の命日である利休忌(三月二十七日)までは菜の花を席中に入れない仕来りがあるようです。
利休が切腹した日、最後の茶室の床には菜の花が生けられていたとのことで、利休忌には菜の花が供えられるそうです。