「桜草(さくらそう)」小倉きんとん製:栗山
桜草は春になると芽吹き、やがて葉の間から20cmほどの花茎をするすると伸ばし、輪生状にかわいらしい花を咲かせます。
淡紫色の5弁の切れ込みの入った花びらの形が桜の花に似ているため、桜草と呼ばれています。
夏の暑さと乾燥には弱いですが、日本の気候風土に合っていて、花は美しくとても清楚です。
埼玉県と大阪府の県(府)花に指定されています。
桜草はギリシア神話の中にも登場します。花の女神フローラの息子パラリソスは大変なハンサムでしたが、恋人のニンフに失恋してからは、すっかりやつれ果て、とうとう死んでしまいました。フローラは、そんなわが子を不憫に思い、春一番に咲く桜草の花に姿を変えさせたというお話です。
この神話の由来から、西洋では悲しみや死のシンボルとして桜草が使われることがあり、イギリスでは弔花や棺を飾る花として使われるそうです。
日本では、花が桜に似ていることから愛好者が多く、江戸時代に育種が進み、数百に及ぶ品種が作られた古典園芸植物でもあります。
咲く時期が早春で、咲く期間が極めて短いことから、花言葉は「青春のはじまりと悲しみ」「早熟と非哀」。