「手まり(てまり)」煉切製:栗山
紫、緑、紅、黄、橙、青の六色の煉切製の糸で作り上げた手毬(てまり)です。
手毬は江戸時代の中頃から木綿の糸が一般民衆にも手軽に手に入るようになり、子供の遊び道具として家庭でも作られ始めたと言われています。
地域によっては、木綿の糸ばかりでなく、絹糸、和紙なども素材として使われました。それぞれの色の糸に、いろいろな願いを込めて、ひと針ひと針、ていねいに縫いあげて完成します。
表面の色糸模様はとてもあざやかで夢を与えてくれますね。
手毬は、女の子の遊び道具としてだけでなく、お正月には各家々で縁起の贈り物として愛用され、その美しさ、可愛らしさからひなの節句にも飾られてきました。又結婚の際には、花嫁が新しい円満な家庭を築く、幸福のシンボルとして、嫁ぎ先に持っていったりしたそうです。