「春よこい(はるよこい)」煉切製:栗山
煉切で赤い鼻緒(はなお)の草履(ぞうり)をかたどった可愛いお菓子です。梅か桜か、薄紅色の花模様がついています。
「春よこい」「赤い鼻緒」とくれば、大正時代に作曲された有名な童謡『春よ来い』に由来するお菓子だとわかります。
私が小学生の頃、音楽の授業でよく歌ったものです。
最近の小学生はこんな古い童謡はもう歌わなくなっているのでしょうか?
今では『春よ来い』といえば、松任谷由美さんの曲の方が有名になっているようですね。
『春よ来い』 作詞:相馬御風 、作曲:弘田 龍太郎
春よ来い 早く来い
あるきはじめた みいちゃんが
赤い鼻緒の じょじょはいて
おんもへ出たいと 待っている
春よ来い 早く来い
おうちのまえの 桃の木の
つぼみもみんな ふくらんで
はよ咲きたいと 待っている
歌詞に登場する「みいちゃん」とは、作詞をした相馬御風の長女「文子(ふみこ)」がモデルになっているそうです。
「じょじょ」は草履、「おんも」は表・外の意味の幼稚語です。
雪国の人々が静かに春を待ち望む思いが伝わってくるようなお菓子です。