「寒牡丹(かんぼたん)」こなし製:豊島屋
寒牡丹のつぼみの様子を写した菓子。小豆のこし餡を薄紅色と紅色にぼかし染めたこなしで包み、花芯には黄色に染めたきんとんをのせています。
藁の霜囲いを施した中に、寒さにもめげず咲く牡丹の様は、けなげでもあり、春の開幕をも感じさせてくれます。
このような姿を愛でるのも、日本人のきめ細やかな風流の心ですね。
高浜虚子の詠んだ寒牡丹の句の一つ
そのあたり ほのとぬくしや 寒牡丹
ここ二三日、相当冷え込んでいて寒さが身にしみますが、そんなとき、寒牡丹の花を見ると、愛情をこめ、丹念に慈しんで育ててきた人の顔が浮かび、ふと気持ちが暖かくなりますよね。