古来から、その清雅な姿と香りで、日本人に愛されてきた「梅」。
この梅を文様化した図案は非常に種類が多く、100種類以上もあるといいます。
大きく分けて、写実的に梅の花を表現した『梅花紋』の系列と、より幾何学的に図案化した『梅鉢紋』の系列の2系統に分類されます。
梅花紋の代表
<梅>
梅鉢紋の代表
<梅鉢>
これらの文様は、家紋をはじめ、着物の柄や工芸品のデザインなどによく用いられていますが、上生菓子の世界でも、意匠として、これらの文様がよく取り入れられています。
今日は梅の文様の影響を受けた様々な作品を楽しんでください。
『梅花紋』の系列
「神の梅(かみのうめ)」こなし製:老松
<梅>
「紅梅(こうばい)」煉切製:龍月
<重ね梅>
「梅が香(うめがか)」こなし製:鶴屋吉信
<向こう梅>
「紅梅(こうばい)」こなし製:鶴屋吉信
<光琳向こう梅>
「梅(うめ)」こなし製:梅乃餅
<梅輪>
「梅(うめ)」煉切製:蜂の家
<光琳梅>
「好文花(こうぶんか)」羊羹製:とらや
<香い梅>
『梅鉢紋』の系列
「福梅(ふくうめ)」煉切製:塩瀬総本家
<梅鉢>
最後に、余談にはなりますが、織部饅頭の焼印によく押されているのも、<梅鉢>文様です。
「織部(おりべ)」薯蕷製:長嶋屋
「織部饅頭(おりべまんじゅう)」薯蕷製:三鈴
<星梅鉢>
紋様のイラストはすべて「きものと悉皆 みなぎ」さんよりお借りいたしました。