評判のわらび餅があるということで、前から気になっていた中目黒の和菓子店「雅庵(みやびあん)」さん。
ここのオーナー和菓子職人の皆川典雅氏は全国和菓子協会の優秀和菓子職に認定されています。
優秀和菓子職というのは、全国和菓子協会が平成19年にスタートさせた認定制度で、これに認定されると「誰もが認める優れた和菓子職人であり、創作的な手づくり和菓子ができる技術がある」というお墨付きをもらえることになります。
平成25年現在、全国でまだ104人しか認定されておらず、合格率は15%という難関のようです。
また、皆川氏は全国菓子大博覧会をはじめ、さまざまな大会での受賞歴も多い。
さて、「雅庵」さんはわらび餅があまりにも有名過ぎて、その他のお菓子が目立たないのが残念ですが、毎月上生菓子も丁寧に作っています。
ここの上生の特徴は、毎月、各季節にちなんだテーマを1種類のみにしぼり、4通りの描き方で表現する方式です。
10月にはじめてこのお店に伺った時に購入した上生菓子4点を紹介します。
すべて煉切製で、すべて紅葉をテーマにしたものです。
「一葉(いちよう)」煉切製
大胆な色使い、非常に鮮やかな目の覚めるような色合いが特徴です。
「紅葉川(もみじがわ)」煉切製
楓の姿が陰刻された、センスあふれる表現。
「初紅葉(はつもみじ)」煉切製
シンプルですが、葉の切れ込みの形、葉脈の描き方の絶妙なバランスがいいですね。
「唐三彩(とうさんさい)」煉切製
唐三彩とは、中国唐代に作られた軟質陶器のこと。緑・白・黄・茶・赤などのうち、三色の取り合わせで彩色されている場合が多いのでこう呼ばれています。
この意匠はよくみかけるもので、一般的に「唐錦(からにしき)」という菓銘がつくことが多いですが、あえて「唐三彩」とひねりの効いた名前を 付けているのがおもしろいですね。