「清香(せいこう)」薯蕷製:福壽堂秀信
○(丸)に・(点)の非常にシンプルなデザイン。いわゆる尾形光琳が創作した光琳菊がモデルです。
菊の花には独特のしみとおるようなフレッシュな香りがあります。
まさに菓銘になっている「清香」のような「すがすがしい香り」、「清らかな香り」ですね。
大田花き(おおたかき)花の生活研究所の研究によると、菊の香りは樟脳の香りの「カンファー」や、墨をすったときに感じられる香り「ボルネオール」と呼ばれる特徴的な成分によって構成されていることが分かりました。
この菊特有の香りには人の気分を落ち着かせる効果があるそうで、悲しんでいる人を安らかな気持ちにしてくれるといいます。そういう理由で葬儀の時によく使われるのでしょう。
このお菓子には心憎い仕掛けがあって、中央部の点の部分に香りの強い肉桂が仕込んであるのです!非常に微量なのでそれが程よい「清香」として感じ取れます。
これぞ上生菓子の真髄!見事な演出です!