「伊勢菊(いせぎく)」煉切製:亀屋万年堂
波のうねりのような、風になびく巻き毛のような花びらの意匠が伊勢菊の特徴をよく表しています。
伊勢菊とは、伊勢地方(現在の三重県松阪市・津市)で発達した菊の園芸品種。
嵯峨菊を改良して作り出されたと考えられていて、伊勢の国司が京都嵯峨野から持ち帰って栽培したという説と、伊勢神宮の斎王が京から取り寄せて栽培し、やがて伊勢の風土になれて変化したという説があります。
細く平たい花びらが縮れながら伸びて垂れ下がる様子が独特で、繊細で幽玄な美しさがあります。花びらが長く垂れ下がるほど良いとされているそうです。
嵯峨菊・肥後菊・江戸菊と並んで「古典菊」と呼ばれています。
また、伊勢撫子、伊勢花菖蒲とともに伊勢の三名花と呼ばれています。