「山の苞(やまのつと)」薯蕷製・桃山製:福壽堂秀信
いよいよ実りの秋、そして食欲の秋がやってきました!
美味しいものがいろいろある中でも、山野でとれる木の実やキノコは秋にしか味わえない山からの貴重な贈り物。
今日紹介するお菓子は、昭和23年創業の大阪の老舗「福壽堂秀信」がこの秋に創作した「工芸菓子」です。
「山の苞」とは、山からのお土産という意味。
「工芸菓子」とは、すべて食べられる素材を使って、花や動物、風景など我々の周りにある花鳥風月を、写実的に立体的に絵画的に表現したものです。
ということは、上生菓子と定義はよく似ていていますが、どうちがうのだろうか?
まず、工芸菓子の絶対条件として、誰が見ても何なのか、見ただけですぐわかるような写実的な作品でなければならないこと。
一方、上生菓子は必ずしも写実性は求められないので、抽象的な表現でもOK。
見ただけで何を表現しているのかわからない場合も多いが、菓銘を聞くと、「ああ、な〜るほど!」と思わず唸ってしまいます。
上生菓子をみてどう解釈するかは食べる人の感性に任されているのです。
工芸菓子は江戸時代に大奥で鑑賞された「献上菓子」が始まりだといいます。さすが、大奥!あの時代にこんな贅沢な物を楽しんでいたとは。
みかん(薯蕷製)
柿(薯蕷製)
松茸(薯蕷製)
あけび(桃山製)
栗(桃山製)
さすが、福壽堂秀信さん!色合い、形、質感、どれをとっても完璧な出来栄えですし、味も文句なしですね。