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あがり羊羹(松花堂)

「あがり羊羹(あがりようかん)」羊羹製:松花堂 

 

普通羊羹といえば保存食や非常食になるほど賞味期限の長いお菓子です。 

 

羊羹は、糖度が約70度と高く、充分な加熱工程と、徹底した衛生管理のもと真空パックに詰めると、常温で保管しても品質の変化が少なく、通常賞味期限は製造から1年、また、賞味期限を過ぎたとしても、さらに1年間は問題なく食べられるというほど長期保存が可能なお菓子です。 

 

今日紹介する羊羹は、生菓子タイプの羊羹で、防腐剤・添加物も一切使用していないため、日持ちは冷蔵庫保管でたったの3日間です。

 

水羊羹と蒸し羊羹の中間のような柔らかさで、弾力があり、淡い小豆色の「ういろう」のような質感、あっさりとした上品な味わいが特徴の羊羹です。 

 

甘さ控えめで、冷やして食べるため、とっても爽やかで、しつこくなく、甘党の私なら、一棹(ひとさお)まるごと一度に食べられるほどです。 

 

もともとは、江戸時代に、名古屋の「桔梗屋」というお菓子屋さんが、殿さまがお抹茶をいただくときのお茶菓子用に創作し、尾張徳川家に献上していた羊羹なのです。 

 

このように、お上に召し上がりいただくことから「上がり(あがり)羊羹」と命名されました。 

 

 

この献上羊羹の伝統を継承し、製造販売しているのが、創業昭和36年の北鎌倉の「松花堂」さんです。

 

とらやの羊羹も好きですが、この「あがり羊羹」も、私の好きな羊羹ベスト3に入る素晴らしい逸品で、北鎌倉を訪れた時には必ず買ってかえります。

 

 

春の北鎌倉