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木守(しげた)

「木守(きまもり)」雪平製:しげた 

朱色に染めた羊羹を円盤状に抜き、緑の煉切でかたどったヘタとともに、黒文字を挿して、雪平餅の上に固定したお菓子です。

 

柿の収穫も終わり、葉も落ちつくした枝に、ポツンと一つだけ実が残された状態を見かけることがあります。 

この柿のことを木守(きまもり)または、木守柿(きもりがき・こもりがき)といいます。

 

 

まるで柿の木を守護するかのように見えるところからこう呼ばれています。俳句の世界では秋の季語にもなっています。

 

この木守柿には2つの意味があって、一つは来年も柿がよく実るようにとの祈りが込められていること、二つ目は冬になってエサのない小鳥たちが食べられるようにわざと残してあるということ。 

 

丹波市のある小学校の校長先生がこの木守柿のことを例に挙げ、「自然の恵みに感謝し、人間だけでなく小鳥たちのためにも残しておくという、こころのゆとりや優しさをもってもらいたい」という趣旨の文を校報に載せていました。

 

柿を主題にした和菓子から、ここまで深い話につながっていくのも、上生菓子の醍醐味ですね。