「藪柑子(やぶこうじ)」煉切製:森八
緑と白にぼかし染めた煉切で小豆こし餡を包み、へらを使って手技で葉をかたどり、その上に紅色のグラス絞り羊羹で二つの玉を配し、藪柑子の赤い実に見立てたお菓子です。
冬のつややかな赤い実が印象的な藪柑子ですが、葉が橘(たちばな)の葉に似ていることから、古くは「山橘(やまたちばな)」と呼ばれ、和歌に詠まれました。
”あしひきの山橘の色に出でよ語らひ継ぎて逢ふこともあらむ”
意味:山橘の実のように、(恋していることを)はっきりと表わしなさい。そうすれば、(人に)語り継がれて、(あの人と)逢うチャンスができるかもしれませんよ。
この歌のように、恋心に例えたものや、白い雪と赤い実のコントラストが印象的な歌などがあります。
(参考サイト:http://www6.airnet.ne.jp/manyo/main/flower/yamatachibana.html)