「さざれ石(さざれいし)」錦玉製:寿々木
色とりどりに染めた煉切を小さく丸め、錦玉羹に入れて固めたお菓子です。川の流れに小石が見え隠れする風情を表しています。
さざれ石といえば、国歌「君が代」にも出てくる超有名な石ですが、これは石灰石が長い年月の間に、雨水で溶解され、そのときに生じた粘着力の強い乳状液が少しずつ細石を凝結して、巌(いわお)となったものを指します。
その姿形は、まさに強固団結の精神を象徴していて、我々の家庭も会社も国もみんなが心を合わせれば、絆を深め、千代に八千代に末永い繁栄と福を呼ぶというもの。
この菓銘の「さざれ石」は、漢字では細石と書き、文字通り、細かい石・小石の意味で、「君が代」のものとは異なります。
私はこの清涼感あふれる錦玉の透明な世界がとりわけ大好きで、いつも夏が来るのを心待ちにしているのです。