春の野山に立ち込める水蒸気のことを霞といいます。霞によって、あたり一面がほのぼのと薄れ、のどかな春の景色となります。同じ現象を夜は「朧(おぼろ)」とよびます。上生菓子としては、霞の朦朧とした雰囲気を出すために、氷餅やきな粉を散らしたり、蒸しあげたばかりの薯蕷饅頭の薄皮を剥いて表面をおぼろ状にしたりして表現します。