上生菓子とは?

 

上生菓子(じょうなまがし)とは簡単に一言でいえば、一番上等な和菓子のことです。江戸時代中期頃に京都から発祥し、全国へ伝わっていったと考えられています。 

 

 

季節にふさわしい趣を取り入れ、和菓子職人が伝承の技術を駆使して、ひとつひとつ手作りで作り上げます。

 

菓銘を聞いて情景に想いをはせ、形、色彩、香り、食感など五感で楽しむ芸術としてのお菓子です。 

 

山水や花鳥などの自然を表現したものが多く見られます。味はもちろんのこと、その形の美しさも和菓子職人の腕の見せ所となっています。 

 

多様な形・色を表現するため、使う素材もいろいろです。よく用いられる素材としては煉切餡(ねりきりあん)といって、白あんに求肥などを混ぜてさまざまな色に着色したものがあります。この煉切餡を竹べらや布巾などの小道具を利用して手づくりで成形していく方法で、「手形もの」 と呼ばれます。他に木型を使った型抜きという手法もあります。

 

このほか、羊羹や寒天素材などもよく用いられ、中に入れる餡の種類も多彩です。 

 

このように、上生菓子はあらゆる材料をフルに活用し、匠の美と技が見事に結晶した和菓子の最高峰といえると思います。